あんたのために書いてんじゃないんだからねっ
ショートストーリー&雑文。不定期で『タカッラマ・ラジュル』を連載中。
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パンドラボックス【ss】
「騙されたんだよ」と女房は決めつけたが、私はそうは思わない。
これは本物のパンドラの箱だ。
あの男は言った。
「この箱を開けるとあらゆる厄災が飛び出すが、最後に希望だけが残る」
私はその言葉に賭けた。
しがない八百屋の親父で一生を終えるのはまっぴらだ!
翌日。
あらゆるハクサイが飛ぶように売れ、最後にゴボウだけが残った。
これは本物のパンドラの箱だ。
あの男は言った。
「この箱を開けるとあらゆる厄災が飛び出すが、最後に希望だけが残る」
私はその言葉に賭けた。
しがない八百屋の親父で一生を終えるのはまっぴらだ!
翌日。
あらゆるハクサイが飛ぶように売れ、最後にゴボウだけが残った。
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COMMENT
無題
さて、この話を聞いたのが同じ商店街にあるパン屋の親父だった。フフフッ、オチが読めたぞ!パンドラだけにパンがばか売れして最後にドラ焼きが残るんだろう!
パン屋は勝手に思い込み件の箱を譲り受けた。
翌日、なんとパン屋が火事で全焼してしまった。ただ子供が肌身離さなかったドラえもんの人形だけが残った。
憐れむべし、パンドラの箱。
Re:銀河径一郎さん
大繁盛だからハッピーエンドです(笑)
>ただ子供が肌身離さなかったドラえもんの人形だけが残った。
なんていい話!
最後は「パパ、これからは僕とドラえもんがパパの希望を叶えてあげるよ」なんて泣けることを言ってくれるんでしょうね。
次は同じ商店街に住むツンデレの少女に渡しましょうか(笑)
このパンドラボックス、例の怪しい中国人が売ってそうですよね(笑)
無題
子供のころ世界童話全集みたいなのに載っていたのを読んだ記憶があります。
その本は優しいイラストとともに「それでも人類には希望が残されている」エンドだったんですが、後年「あれは災厄という圧倒的な現実に対し、人は希望というあるかないか分からない不確かなものだけを信じて生きるしかなくなった」とするネガティブな解釈で冷や水ぶっかけられました。
(´・ω・`)え~
Re:鯨さん
>子供のころ世界童話全集みたいなのに載っていたのを読んだ記憶があります。
子供の頃に読んだ話が大人になって読むと結末や意味が違ったりすることって多いですよね。
本当は残酷な神話。
元ネタでは、神々が災いをもたらすものとして贈った女性の名前がパンドラ。
禁断の箱という意味の他に、無知な者が厄災をもたらすという戒めもあるようです。
怖い教えですよね。